人生は常にアップデート!
ぶれです。
今日は世界的大ベストセラ-「FACTFULNESS」のまとめ&考察です!
とんでもない本が出ましたね。
個人的には学校の教科書にしてほしいです。笑
しかしとても分厚いんですよね。よって挫折者が続出しているらしいです。
何故読みづらいかって、事例が世界各地の問題だからだと思います。
開発学や国際政治や経済の勉強をしていない人だと、あまり親近感のない情報が多いんだと思います。
なんとなーく日本に置き換えたら分かりやすいんじゃないかと思い、出来る限り所々寄せてみました。
コ〇ナウイルスが蔓延する今だからこそ、読むべき一冊だと思います。
自信をもってお勧めします!それでは見ていきましょう!
第1章 分断本能
【人は物事や人々を2つのグル-プに分けてしまう傾向がある】
【そして、そこには埋まることのない溝が存在すると考えてしまう】
例えば若者と大人と2つの分断。
コ〇ナウイルス感染拡大で、渋谷や新宿を歩く若者に、メディアは積極的にインタビュ-をします。
これを見た人は、「若者が外出している!けしからん!やっぱり若者は…」という意見を抱いてしまいます。
メディアはなんとんなく私たちが想定しそうなこと、現状で言えば若者は危機感が薄いのではないか?
という予想通りの気持ちいい答えを意図的に用意して、見ている人を満足させてくれます。
「危機感の薄い若者VS良識のある大人」の2項対立の出来上がりです。
見ている大人の承認欲求も満たしてくれる、なんと素敵な報道!
しかし、以下のインタ-ネットリサ-チの結果を見て下さい。
男女ともに60代の方の外出率が一番高いんですね。
あくまでも全国民のリサ-チではありませんが。
しかし何故これが報道されないんでしょうか?
簡単です。コンテンツとしてつまらないからです。
チャラチャラした若者がふらふら渋谷歩いて、軽率な発言をした方が観てる人は面白いと感じますよね?
メディアを通して知る二ュ-スについて、事実はどうなのか?と疑う姿勢を大事にしなければいけません。
少数の人間に注目するのではなく、大半の人間がどこにいるのか探すことによって、事実は見えてきます。
多くの場合、人々が抱く2項対立は、事実そこに分断がなく、大半の人がその中間にいます。
私自身も、この分断本能にだいぶやられてしまった苦い経験があります。
フィリピンでのNPO法人のインタ-ンの際、スラム街に住む人に対してとても偏見を持っていました。
犯罪の温床になっていたり、ご飯もろくに食べれないのではないかと、「スラム街」という言葉に感じていました。
アフリカの貧困地域のようなイメージを抱いていました。
蓋を開けてみれば、彼らは携帯も持っていたし、食事もちゃんと食べていたし、子供も学校に通っていました。
笑顔溢れる、信仰深い暖かい人たちばかりでした。
打ちのめされました。
「貧困」や「スラム街」という言葉を聞き、その1つの過激なイメ-ジを全世界共通と認識し、先進国と圧倒的な格差がある所だと思い込んでいたのです。
恐ろしい!
第2章 ネガティブ本能
【人はネガティブな二ュ-スの方が耳に入りやすい】
【よってネガティブな二ュ-スの方が広まりやすい】
コ〇ナウイルス新規感染者、死亡者数は日々報道されます。
しかし、完治した人数はなかなか耳に入りません。
現にかなり多くの人が退院して、回復しています。なぜなんでしょう?
簡単です。良い二ュースはつまらないからです。
誰かが良い事をした二ュ-スより、悪いことをした二ュ-スの方が、みんな本質的に好きなんです。
学校でも社会でも、悪い噂って広まるの本当に早いですよね(笑)
確かにコ〇ナの場合だと、その感染力と致死率は驚異的です。
しかし、これらの二ュ-スばかり耳にしていたら、私たちは推測でどんどん状況が悪くなっていると感じてしまうのです。
この先もっととんでもないことが起きると感じてしまうのです。
将来も不安になります。
この先日本経済が、世界経済がどうなるか分かりません。
しかし、メディアを通して発信される過剰な悲観論を聞くより、まずは落ち着いて数字を見るようにしましょう。
目先のネガティブな二ュースを鵜呑みにしてはいけません。
良い事と悪い事は同時進行しています。
悪い二ュースが増えた=世界が悪くなっているわけではありません。
悪い二ュ-スを発見する監視の目が発達し、悪い二ュ-スが好んで発信されているだけです。
第3章 直線本能
【人はグラフが直線で伸び続けると勘違いする】
分かりやすく、日本での少子高齢化の例を取ってみましょう。
現状、日本において子供の数は減り続けています。高齢者人口は増え続けています。
これは紛れもない事実です。
そして多くの人がこのまま子供は減り続ける、高齢者は増え続けると思ってませんか?
これが直線本能です。
グラフでは表せないその先の未来までも、人は自然とそのまま直線に伸びていくと思い込んでしまうのです。
その思い込みから悲観的な未来を語る人もいれば、未来を変えようと過激な行動に出る人もいます。
(そもそも、子供が減って高齢者が増えている現象は、決して「悪」ではないし、「不自然」なことでもありません。至極当然の事なのですが。)
グラフが真っすぐ伸び続けることはありません。
まず、増え続ける、減り続けると思い込むことをやめましょう。
そしてこの思い込みをから悲観的な予測をするのはやめましょう。
世界各国のあらゆるグラフを見れば、グラフには様々なパターンがあることが分かります。
誰もが直線に伸び続けてると思ったグラフは、子供の成長と同じようにある時を境にゆるやかに、変化の乏しいものに変わります。
第4章 恐怖本能
【人は恐ろしいと思うものに自然と目が行ってしまい、危険でないことを恐ろしいと思い込んでしまう】
あなたが恐ろしいと思う物はなんですか?「幽霊」を例に取ってみましょう。
幽霊は「恐ろしいもの」かもしれません。
しかし、本当に「危険」なものでしょうか?
では、年間どれほどの人間が幽霊によって危険な目にあっているでしょうか?
まともな統計なんてものはないのですが、少なくとも死者はいないはずです。
ではなぜ、人は危険ではないものを恐ろしいと感じてしまうのでしょうか?
それは人の本能のせいです。
私たちは本能的に「恐ろしいもの」に目がいってしまうのです。
決してそれが悪いことだと言っているわけではありません。
しかし、「恐ろしいもの」を「危険」であると勘違いして行動してはいけません。
「恐ろしいもの」と「危険」は別物です。
そして私たちは本来、「危険」なものが何か考えなければいけません。
「恐ろしいもの」に支配されてはいけません。
第5章 過大視本能
【人は物事の大きさを判断するのが下手くそである】
【人は1つの具体例や数字をみて、その大小や深刻さを勘違いしてしまう】
例えば、「100万人」という数字を見た時、たいていの人はその数字がとても大きいと思うはずです。
なぜなら、その数字を具体的に想像できないからです。
そして私たちはある大きな数字を見たとき、割合を度外視して単純に「多い」と判断してしまいます。
「100万人」は世界人口の0.0001%程度です。日本の人口においても0.008%です。
しかし、メディアはこの本能を利用して、数字を大きく見せようとします。
私たちから「比較」や「割合」を奪おうとします。
大きな数字をみたときは、比較や割り算を使いましょう。
それを怠ってしまうと、物事の大きさを見誤ってしまいます。
第6章 パターン化本能
【人はひとつの例がすべてに当てはまると考えてしまう】
分かりやすい例ですが、日本において「宗教」ってきくと、どうしても怪しいイメ-ジを持ってしまいますよね。
街頭で布教活動をしている人たちを見ると、どこか冷ややかな目で見ていませんか?
なぜでしょう?
少なくとも「地下鉄サリン事件」のオウム真理教は大きな役割を果たしているでしょう。
歴史の教科書で誰しも学びますし、私たちの記憶に強烈なイメ-ジを残しています。
しかし、現代の宗教って本当に怪しいものしかないでしょうか?
私たちは内実も分からずによく怪しいものだと決めつけてしまいがちです。
確かに詐欺や強引な勧誘も事実としてあるでしょう。
だからといって、信者の人が全てそうかと言うと、そんなことはないでしょう。
むしろ過激な少数の人のイメ―ジを全体に当てはめてしまっています。
これはネガティブ本能の作用もあると思います。
信者の方がいくら良い事をしていても、そんな話はつまらないんです。
私たちが怪しいと思う気持ちをさらに肯定してくれる、悪い二ュースの方が圧倒的に出回るんです。
需要があるんです。
分類や決め付けはしっかり疑わなければいけません。
第7章 宿命本能
【人は全てがあらかじめ決まっていて、不変的だと思い込んでしまう】
人の知識は基本的に腐らないし、変化もしません。
学べばそれだけその人の血肉となり、蓄積されていきます。
足し算の仕方、引き算の仕方は変わりません。
しかし、文化や社会、テクノロジ-に関する知識はそうではありません。
もうポケベルの使い方を知っていても、役に立たないでしょう。
なぜか?
それは、社会や文化やテクノロジ-は変わり続けるものだからです。
そして、徐々に大きな価値観の変化をもたらします。
時には善悪の概念さえ入れ替えてしまいます。
歴史を見れば明らかでしょう。
しかし人の本能は、この文化や社会の変化に気付かずに、それが不変的であると信じてしまう時があります。
国民レベルの日韓関係において、よく歴史を持ち出して相手の国民性を決め付けて非難したりする人がいますよね。
少し過激と言えば過激なのですが。
こういうのがまさにそうで、お互い何十年という時を経て、文化も国民性も変わるのは当たり前なんですよ。
変わらない方がおかしいくらい。
日本だけで見ても超変わったと思いませんか?
もう日本男児なんてあんまりいませんよ笑
世は草食!!
これ僕の個人的な体験なんですけど、昔よく食事中に体育座りして食べるときがあったんですね。
そうすると必ず祖母に「朝鮮人みたいだからやめさい」って言われてたんですよ。
すごいことですよね。
生きてる時代でこれほどまでに感覚が違うんです。
「朝鮮人ってだれ?」ってかんじですよ笑
私たちは逆に、宿命本能に左右されがちな人から話を聞いて、今の感覚と比較して、変わり続けている事を実感すべきなのです。
第8章 単純化本能
【人は世界をひとつの切り口で理解できると思い込む】
人間の脳って、複雑なことが嫌いなんです。
だから多くの事をまとめて分類したり、区別しようとするんです。
しかし、現実はかなり複雑です。
コ〇ナ感染症対策について、日本では諸外国がどのような対応をしているか報道を通して知る機会がありますね。
ある国では国民にお金をばらまいて、ある国は考えられないくらい厳しい罰則を設けている。
たくさんの国の政策を知ることは良い事です。
しかし、1つの問題に対して様々な対応があるのは、それだけ現実が複雑だからです。
例え感染者数を激減することに成功した国があっても、それをそっくりそのまま日本でやれば同じ結果が得られるわけではありません。
制度も法律も違います。
医療の専門家は、知識や数字を並べて現状を解説し、政策提言を行います。
確かに医療としてはその政策が正しいかもしれません。
しかし、彼らは医療以外の知識に乏しい部分が多々あるわけです。
医療という切り口では正しいかもしれませんが、それだけでは不十分なのです。
私たちも、自分の持っている専門知識を、専門外にまで広げてしまい、1つの切り口で答えを求めようとしてないでしょうか?
私であれば、教育についてはそこそこ詳しいですが、その知識は家庭教育、育児の問題には不十分です。
物事を単純に1つの切り口で解決しようせず、そこにある様々な複雑さを喜んで受け入れなければいけません。
第9章 犯人捜し本能
【人は誰かを責めれば物事は解決すると思い込む】
【人は何か悪いことが起きた時、都合よく単純明快な理由を見つけたくなる】
日本ではよく政治に向けられますね。
「安倍が悪い」なんて言葉が流行るくらいですから。笑
国同士で言えばコ〇ナの発生源の押し付け合い。
国内では外人がコロナを持って来たと、外人のせい。
人はどうしても「犯人」を捜してしまうのです。
起きたことに理由が欲しいのです。
本当は複雑な理由があることを知っていても、単純な予想通りの理由に飛びついてしまうのです。
私たちはどんな事があっても、1人の人間や1つのグループを責めてはいけません。
なぜなら、私たちは犯人が見つかった途端に、それ以上考える事をやめてしまうからです。
たいていの場合、1つの問題が起きた時には、そこには複雑な原因やシステム自体に欠陥があり、多くの人が関与しているのです。
物事の複雑な原因を見極め、犯人探しではなく、問題に加担した社会基盤やシステムの根本を変える方が、よっぽど生産性が高いのです。
よく学校の教室が汚いと、なぜか問題行動が発生しやすいと言われますよね。
科学的根拠があるわけではないですが、綺麗な環境にいて不快な気持ちになる人はいませんよね。
結果的に問題行動を抑制出来るのであれば、それは個々人の問題に取り組むより、教室の清掃や学校自体の清掃を行った方が根本的な問題解決には近道なのかもしれません。
第10章 焦り本能
【人は焦ると「今すぐ手を打たないと大変な事になる」と思い込む】
私たちはあらゆる場面で急かされます。
タイムセ-ルでは今すぐ買わなきゃいけないと急かされる。
感染者が激増した時、たくさんの人が地方に移動を始めました。
それによって起こりうる感染拡大のリスクを考えずに。
マスクや消毒液の買占めはもちろん、全く関係のない商品までも、SNSのデマ情報によって買占めが行われてしまいました。
なぜなのでしょう?
私たちは焦りを感じると、とにかく動きたくなる生き物なんです。
確かに、世の中には緊急性を要することはたくさんあります。
深刻な問題を周知するために、多少過激な発言で人々を動かそうとする活動家やメディアもいます。
しかし、こんな時こそ焦ってはいけないです。
ゆっくり深呼吸をし、情報が十分であるか、情報は正しいのか分析すべきなのです。
私たちは焦ると思考が停止し、間違った行動を取ってしまいます。
人はドラマチックな事が好きです。
焦ると過激な対策を行ったり、誰も分かるはずのない未来予測を信じ込んでこまうのです。
そして人間は単純なことを好みます。
しかし現実は予想以上に複雑なのです。
1つの行動で問題が解決出来ると思わずに、一歩一歩問題解決に近づいていく姿勢を忘れないようにしましょう。
まとめ
本書で紹介されている本能は、誰もが持っている本能なのです。
偏見や固定概念を抱きたくなる事は悪いことではありません。
私たちが持つ本能を利用しようとするメディアも悪くありません。
大事なのは、私たちがこのような本能持っているのだと、意識的になることです。
そして、本能に負けない事です。正しいデータを見つめて判断する事です。
世界は私たちの想像以上に複雑です。
確かなデータを見る事は、私たちの想像以上に重要な事です。
複雑さを受け入れましょう。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
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